まめ知識

-----

平成22年4月からの肝炎医療費助成制度について

 我が国の肝炎ウイルス感染者はB型肝炎が110〜140万人、C型肝炎が190〜230万人と推定されており、肝炎は最大の慢性感染症といってよい状況です。こういった状況の中で、国や岡山県では患者さんと一体となって肝炎治療を支援するための様々な支援策に取り組んでいます。この支援策の大きな柱が「肝炎医療費助成事業」です。しかし一部の専門医を除いてはあまりこの制度の理解が進んでおらず、肝心の患者さんに必要な情報が行き渡っていないという感が否めません。そこでここで平成22年4月からの肝炎医療費助成制度の改正点について、ご説明したいと思います。
記載内容
1 肝炎医療費助成事業とは?
2 H22年4月からの助成制度の改正点
3 助成制度に関するよくある質問

1 肝炎医療費助成事業とは?

 B型肝炎、C型肝炎は放置すれば肝硬変や肝がんに進行することもある病気です。肝臓が悪くなると、黄疸がでたり、食欲が落ちるなどの自覚症状がでると思っている方も多いのですが、実際には慢性肝炎、肝硬変はほとんどの場合、症状はありません。肝がんになっても、よほど進行しない限り、症状はでません。肝臓はまさしく沈黙の臓器です。
そんな中、最近5−6年間で肝炎の治療は大きく進歩しました。C型肝炎の治療に使われるインターフェロンは、以前は毎日ないしは週3回投与するのが標準治療でしたが、最近では週1回だけの投与でよく、完治率も高くなりました。またB型肝炎も1日1回だけ飲む抗ウイルス剤(核酸アナログ製剤)が改良されて、ウイルスを抑え込んで、肝硬変や肝がんになることを予防することが可能になっています。
しかしインターフェロンや核酸アナログ製剤による治療には問題点もあります。その問題点のひとつが治療費です。インターフェロンや核酸アナログ製剤といった薬剤は比較的高価であるため、その医療費が大きな負担となり、本来必要な治療を受けられないケースがありました。この医療費を国と岡山県とで補助しようという制度が今回の肝炎医療費助成制度です。

2 H22年4月からの助成制度の改正点

改正点(1) 自己負担額の引き下げ

H21年  所得に応じて、1万、3万、5万円/月の自己負担限度額

H22年  原則1万円/月(上位所得階層は2万円)
*上位所得層とは市町村民税課税年額が23万5000円以上

 これまではインターフェロン治療を対象に月あたり1万〜5万円の自己負担額上限が定められていました。これが4月からは原則として月あたり1万円に引き下げられます。これによってより少ない自己負担額でインターフェロン治療や核酸アナログ製剤による治療を受けることができるようになります。

改正点(2) 助成対象の拡大

H21年  インターフェロン治療のみ、助成対象

H22年  B型肝炎の核酸アナログ製剤治療を助成対象に追加
*核酸アナログ製剤とはゼフィックス、ヘプセラ、バラクルード

 従来はB型肝炎の核酸アナログ製剤は助成対象ではありませんでした。これらの薬剤は1錠が650円〜1200円程度します。これらの治療も助成対象になりました。

改正点(3) 制度利用回数の制限緩和

H21年  インターフェロン治療に係る制度利用は、1人について1回のみ

H22年  医学的にインターフェロン再治療が有効と認められる一定条件を満たす者は、2回目の利用を認める。

 従来は助成制度の利用は1人1回のみでした。しかし初回治療でウイルスが根治できなかった人でも、一定の条件を満たせば2回目の助成制度利用ができるようになりました。

3 助成制度に関するよくある質問

 下記のQandA はH22年3月31日づけの厚生労働省健康局 肝炎対策推進室の「肝炎治療特別促進事業に関する問答集」から抜粋(一部表現を分かりやすく改変)したものです。

Q. 対象となるのはどのような医療ですか?
A. B型およびC型肝炎ウイルスによる慢性肝炎(C型代償性肝硬変を含む)に対して保険適用となっているインターフェロン治療、ならびにB型慢性肝疾患に対して保険適用となっている核酸アナログ製剤治療が対象です。

Q. 血液検査や画像検査は助成対象ですか?
A. はい。受給者証記載の有効期間における、助成対象治療にかかわる検査については助成対象となります。

Q. 検査のみで経過観察されている患者は助成対象ですか?
A. いいえ。助成対象となりません。

Q. インターフェロン治療の認定基準に「肝がんの合併のないもの」とありますが、過去に肝がんの治療を行い、現在は肝がんを合併していない場合についても助成対象となるのですか?
A. はい。現在、肝がんの合併がなければ助成対象として差し支えありません。

Q. 年齢制限はないのですか?
A. 年齢制限はありません。

Q. インターフェロンの少量長期投与(ウイルスの根治を目的とせず、少量のインターフェロンだけを投与して、肝炎の進行を抑える治療)は助成対象ですか?
A. いいえ。現在の所は助成対象ではありません。

Q. ウルソや強力ネオミノファーゲンなどの肝庇護剤による治療は、インターフェロン治療と並行して行われるなら対象となるのですか?
A. いいえ。これらの治療は根治を目的としていないので助成対象にはなりません。

Q. インターフェロンによる副作用に対する治療はどこまでが助成対象となるのですか?
A. インターフェロン治療の中断を防止するために併用せざるを得ない副作用の治療については、助成対象となります。ただし、インターフェロン治療を中断してから行う副作用に対する治療は助成対象にはなりません。

Q. 核酸アナログ製剤治療の対象となる薬剤は何ですか?
A. バラクルード(一般名:エンテカビル)、ヘプセラ(一般名:アデフォビル)、ゼフィックス(一般名:ラミブジン)です。

Q. 助成制度の改正以前に、核酸アナログ治療をうけたことがあるものでも助成対象となるのですか?
A. はい。核酸アナログ治療に対する助成開始以前の治療歴についての条件はないので、過去に治療歴がある場合でも助成対象となります。

 これら助成制度については、若干複雑な部分もあります。そもそもインターフェロン治療や核酸アナログ治療を受けるべき人と受けるべきでない人とがおられます。適切な治療方針については主治医の先生や肝臓専門医とよくご相談ください。

平成22年4月7日記載

診療時間

診療時間
9:00〜12:00
15:00〜18:30 × ×

※土曜は9:00〜14:00
休診日:日曜、祝日、木曜日午後

アクセス

外観

駐車場は16台分ございます。
曹源寺バス停下車、徒歩1分。

詳しく見る

お問い合わせ・ご相談は086-272-1234 お気軽にお電話ください。086-277-0005

インターフェロン治療費公費助成の指定医療機関

このページのTOPへ戻る